バッファローのWi-Fi 6対応ルーターWSR-3200AX4Sに備わるバンドステアリングLiteを活用して家の中の電波状況を改善してみます。
バンドステアリングについて
少し前に個別対応ファームウェアでアクセスポイントモードの2.4GHzの不具合の対策をしました。わざわざ2.4GHzを使う目的はバンドステアリングです。
バンドステアリングとは、デュアルバンド機などの複数のバンド(2.4GHzと5GHz)を自動で切り替える機能です。WSR-3200AX4Sは「バンドステアリングLite」に対応しているため、帯域の切替基準は電波強度のみです。
ちなみに私も家族もスマホはiPhoneで、切替の基準は電波強度が-70dBmを下回るかどうかです。公式サイトに記載があります。
iPhone、iPad、iPod touch は、BSSID (Basic Service Set Identifier) の接続状況を監視し、RSSI (Received Signal Strength Indicator) が -70 dBmを下回るまでその接続を維持します。しきい値を下回ったら、デバイスは新しい ESSID (Extended Service Set Identifier) でスキャンを開始し、ローミング先の候補となる BSSID を探します。
Wi-Fiルーターの設置場所を家の中央あたりに変更して改善したのですが、1台だとどうしても5GHzがぎりぎりのところがあるので改善できるか検証してみます。
自宅内のWi-Fi電波強度の測定
対策する前の自宅のWi-Fiの電波強度を確認しておきます。電波強度はWindows 11のPCに「Wi-Fi Analyzer」というアプリをインストールして確認しました。
結果、5GHzの状況は以下の通りでした。
-70dBmを下回る:2F 洗面脱衣室
-60〜70dBm:1F 和室、2F フリースペース
-60dBmを上回る:1F LDK、2F 寝室、洋室x2
Wi-Fiルーターはダイニングに置いてあり、ここでは-30dBm前半、隣り合うキッチンとリビングは-40dBm後半と十分な強度があります。2Fの寝室と洋室x2はそれぞれLDKの真上に位置しており、-50dBm後半。一方でそれ以外は-60dBm以下となっています。
家は南北方向をど真ん中で区切る耐力壁があり、-60dBm以下となる箇所はいずれもWi-Fiルーターから見てこの耐力壁の反対側にあたります。どうもこの壁を挟むと5GHzの電波強度が落ち込むようです。
それならば耐力壁の北側にもルーターを置いて中継器やメッシュで中継すれば良さそうですが、
・洗面脱衣室以外は問題無し
・洗面脱衣室で長時間過ごすことはない
ということから、もう一台Wi-Fiルーターを追加するのはコストに合わない。そこで、より届きやすい2.4GHzに自動で切り替わればそれでよしとバンドステアリングを使ってみます。
バンドステアリングLiteの設定
バンドステアリングLiteを有効にするとSSIDが5GHzと2.4GHzで共通になります。SSIDは変更できるので、元々の5GHzのSSIDと同じにしておきました。子機側で接続やり直すのが面倒なため。
なお、EasyMeshはオフにしています。
バンドステアリングLite機能の確認
iPhoneを洗面脱衣所にもっていくと、Wi-Fiアンテナピクトが1~2本に減っていってから3本に変わります。これが5GHzから2.4GHzに変わる挙動かと思います。いままでは気が付いたらWi-Fi切れて4G表示になったりすることもあったのですが、それもなくなりました。WSR-3200AX4Sの不具合のせいで無駄にギガを消費していたこともあったわけで、ふざけた話です。
iPhoneは接続している周波数帯が分からないので、上記は挙動からの推測です。接続周波数帯が分かるノートPCはスマホよりアンテナ性能良すぎて家中で5GHz使えるし、手持ちのAndroid機はなかなかローミングせずにしつこく5GHzつかんでいます。
iPhoneはローミングの積極性が高いようです。
バンドステアリングのメリット
ということで、バンドステアリングの機能は一定の効果がありそうです。接続が変わるであろう時にアプリケーションからは接続が切れたようには見えないようなので、使用していると気が付かないと思います。
その他には以下のようなことに気が付きました。
- DFS発生時でも2.4GHzに切り替わる(?)
在宅勤務時の朝の開始時には5GHzに接続していることを確認したのですが、その後に2.4GHzに接続されているのに気が付きました。5GHzのチャンネルが変わっていたのでDFSが発生したのだと思います。VPNで接続していたけど切断されなかったので切り替わったの気が付きませんでした。 - 各周波数側の設定変更時にも接続が切れない
2.4GHzはワイヤレスヘッドホンなどと干渉するので送信出力を変えたりすることがあるのですが、再起動時に2.4GHzにつながっている機器は自動的に5GHzに切り替わります。これが意外と便利です。
まとめ
バンドステアリングはおそらくはバッファーにデータがある限りはアプリケーションからは切り替わったこと(接続断→再接続)が分からないようなので、何らかの要因で片方が接続断となったらもう片方で接続が維持される形になるようです。
仕事で使っているときはこれはいいですね。オンライン会議で映像や画面を共有しているときでも使用帯域は5Mbps前後程度なので、2.4GHz帯のリンク速度でも全く問題ありません。
ということで、自宅内のちょっとした5GHzの死角はもちろんのこと、万が一5GHzが接続断となった場合の保険にもなるようなので意外と便利なものだと実感しました。
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