以前デスクトップPCに増設した2.5インチSSDが、たまにPCのBIOSレベルで認識されなくなるようになり、起動ドライブとしては不安を抱えることになりました。
そこで、このSSDはラップトップPCのデータドライブに転用し、新たなSSDをデスクトップPC用に購入しました。マザーボードにはM.2のスロットがあるので、M.2フォームファクタのSSDにしてみました。
購入した商品
容量は500GBクラスで速度面のスペックには拘らず、Western Digitalの「WD Blue SN500 NVMe」というモデルを購入。PCIe x2接続のためかx4のモデルよりも安い。購入時は7,480円でM.2 SATAとの価格差が400円だったので興味本位でNVMeにしてみました。容量は500GBなのでGB単価は14.96円です。
さて、現物が届いて手に取ると、想像していたよりも小さい。
NVMe SSDのパフォーマンス
Windows10をクリーンインストール、かつUEFIブート構成として10分程度でインストールが終わり、NVMeのSSDはどんなものかとみてみると…。
一方、取外したSSDはSATAです。ベンチマークソフトのバージョンアップで計測項目が多少変わってますが参考になるでしょう。
NVMeとSATAでこんなに差が出るのはベンチマークだからこそです。ランダムアクセス(下の二つ)はシーケンシャルアクセスの約3倍に比べたら大差ありません。PCの一般的な使い方ではランダムアクセスが主体でファイルサイズも小さいため、SATAをNVMeにしたところでベンチマークの差のような劇的な体感速度の向上はありません。
息子に聞いても変更前後で変わったという感想はありませんでした。大人なら「言われてみれば速くなった気もする」なんていうかも知れませんが、子供は素直です。
NVMe SSDの使い勝手
UEFIブートにしたのでタスクマネージャーで見られるBIOS起動時間が15秒から5秒に短縮しています。
結果、電源オンからログイン画面が出るまでの時間が30秒程度から、
高速スタートアップオフ:17秒
高速スタートアップオン:16秒
休止状態からの復帰:11秒
となりました。BIOSで10秒短縮なのでディスクアクセスの差は3秒前後。やはりランダムアクセスでは大きな違いにはなりません。
いやいや、毎日起動に3秒なら年間で18分じゃん!
とゆー人がいるのか分からんけど、日頃はスリープで運用してます。スリープからの復帰は8秒です。HDDも内蔵しているのでスピンアップに時間がかかっている?
特筆すべきは休止状態で、以前はとくに他と変わりなく30秒かもうちょっとかかるくらいでした。SSD交換後はシーケンシャルリードの性能が発揮されてストレージだけで10秒近く短縮されたことになります。
とはいえ起動時のみの数秒のことなので、M.2 NVMeの今のところの利点は速度よりも専有面積が小さくケーブルの取り回しも不要な点ではないかと思います。
SSDの耐久性
寿命の目安となるTBWは300TBとかなりの耐久性があります。「かなり」とは他製品との比較ではなくて、自分の使用状況から見たら、です。しかも保証期間は5年。どのくらい持つのか実績値から算出してみました。
取り外したSSDのデータから実績として
総書込容量:6,636GB
使用時間:2,723時間
ということが分かります。TBWはホストからの書き込みを測ります。1時間当たりに均すと2.4GB。
週の稼働時間はMicrosoftのアカウント統計からおおむね50時間ということが分かっています。すると、
週あたり:120GB
年間(52週):6,240GB
となります。
以上から、総書込容量が300TBに達するには約48年かかります。その頃には現行の規格自体が無さそう。衛星軌道に浮かぶ巨大なストレージを手元にあるかのように使っていたりするかも知れません。あくまでも理論上の目安ですが、寿命を気にする必要はありませんね。
取外したSSDはThinkPad E490に移し、こちらではきちんと認識されて正常に稼働しています。
このSSDは発熱がやや多く、安モンだけあって上記の負荷では厳しかったのかも知れません。なお、ThinkPad E490の起動時間は以下の通りでした。
高速スタートアップオフ:22秒
高速スタートアップオン:13秒
休止状態からの復帰:16秒
スリープからの復帰:3秒
スリープからの復帰がやたらと速いのは、モバイル用途(バッテリー消費)を考慮した最適化がされているからかもしれません。
ということで、デスクトップPCはさらに現代的な構成となり、ラップトップPCにはストレージ増設となりました。
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