グラボで遊んでみる

増設したグラボでいろいろ試してみました。増設後の構成は以下の通り。

OSWindows 10 HOME 1803 64bit
CPUINTEL Core i5-650 @ 3.20GHz
GPUZOTAC GeForce GTX 1050 2GB Mini(Driver ver. 398.11)
メモリ8GB
グラボ増設時のPCの構成

パフォーマンスの測定は、とりあえずこれをやっとけばいいのかな?

GTX 1050を第一世代のCore i5にPCIE 2.0接続した状態でのベンチマーク結果
Core i5-650 + GTX 1050のベンチマーク結果

第一世代のCore i5にGTX 1050をPCIE 2.0接続という構成なので、古い世代のPCの方の参考になれば。曰く「とても快適」なのだそうです。

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気付いたこと

色見

今までは薄味だったのが少し濃くなったような印象です。

夜間モード

今までは画面ロックやスリープから復帰すると夜間モードの色温度設定が解除されてしまって再設定をしなければなりませんでした。GTX 1050にしてからは復帰しても設定が維持されます。地味にうれしい。

タスクマネージャー

GPUの状態が表示されました。今まではこの表示はありませんでした。

GTX 1050増設後のタスクマネージャの表示
GTX 1050のタスクマネージャーでの表示

夜間モードとタスクマネージャーはドライバーによるものかと。

画面切り替え

今まではちょっと遅かったのね~と気づかされました。パッと切り替わります。ブラウザの描画も若干向上。

電源が温かい

PC本体の排気よりも電源の排気の温度が上昇しました。消費電力増えたのでそりゃそうか。

映像出力

HDMI 2.0b、DisplayPort 1.4、DL-DVI-Dの3つが備わってました。8Kまで出力可能です。流石にVGAは無いですね。私はこれまでDVIだったので、ケーブル差込口を替えただけで済みました。

RAW現像ソフトの写真プレビュー(GPU)

キヤノンの「Digital Photo Professional」で設定メニューに「画像処理にグラフィックプロセッサを使用する」という項目があります。GTX 1050ではこれを選択できるようになりました。

Digital Photo Professionalの画像処理設定でGPUを使用するを有効に。
Digital Photo Professionalの画像処理設定

効果はプレビューのみのためか、あまり体感はない…と思ったのですが、キャッシュなどをクリアしたところ多少は向上したかな~という程度。ちょっと残念。編集結果の反映にもGPUを使ってくれるといいんだけど、難しいのかな?

一方、画像の拡大/縮小や拡大箇所の移動などは一切の引っ掛かりがなくとてもスムーズで、これはそもそもの画面描画性能が向上したことによるものでしょう。これはこれで快適になりました。

RAWデータの現像は相変わらずCPUが真っ赤になりながら(見たことないけど)やってます。これもGPUでやって欲しいところだけど、カメラ固有のRAWデータとビデオカードと、特定ハードウェアに依存する処理は実装し辛いですかね…。

動画のデコード(NVDEC)

とりあえずyoutubeで試したところ、8K60Pまでよどみなく再生できました。デコーダー使用率は、
8K60P:95%前後
4K60P~8K:40%前後
といった感じで、4K以下は数%〜10%程度です。いずれもCPUは10%程度の使用率です。Core i5-650に内蔵のIntel HD Graphicsでは2K60Pが限界で4K以上は無理でした。

動画上で右クリックして統計情報を見ると、codecがVP9でスムーズに再生しています。4K360度動画もラクラク再生。ネットでダウンロードしたH.265の4K動画も全く問題なく再生出来ました。

動画のエンコード(NVENC)

別掲載の記事を参照下さい。爆速です。

ffmpeg以外にも、以下はいずれもハードウェアでH.265のエンコードが出来ました。

AviUtl
拡張NVEnc出力プラグインを使用。元動画のデコードがCPUになるので単純な変換では程々ですが、編集後のエンコードをハードウェアで出来るのは楽です。

A’s Video Converter
元動画のデコードもハードウェアで出来ました。複数ファイルをドラッグ&ドロップして、順番を整理して一本に結合するのが簡単。ドライブレコーダーの細切れ動画なんぞはすごい勢いで一本にしてくれます。結合をしなければ複数ファイルをそれぞれエンコードできます。
ただ、デコードがうまくいかないことがあり、mtsファイルはダメでした。

Avidemux
元動画のデコードもハードウェアで出来ました。A’s Video ConverterではエラーになるファイルもOK。複数ファイルの結合もできますが、複数ファイルをドロップすると読み込む順番が不明で、読み込んだあとに順番の入れ替も出来ないのが玉にキズです。

XMedia Recode
元動画のデコードもハードウェアで出来ました。A’s Video ConverterではエラーになるファイルもOK。複数ファイルの一括エンコードも出来ますが、結合は出来ない。でも、使い勝手は一番良いです。変換時の設定や切り出しなどの操作が分かりやすいです。マウントしたDVDもそのまま扱えます。

ということで、編集はAviUtl、変換はXMedia Recode、予備でA’s Video Converterとしておきます。

事前にコーデックパックを入れるとエンコーダー/デコーダーを選べる&設定が簡単に出来るかと思います。私は「K-Lite Codec Pack」なるもののMegaとやらを入れておきました。

GPGPU

GPUをグラフィック処理以外の汎用用途で使うことですが、試しにBOINCでSETI@HOMEを実行してみました。このプロジェクト、まだ健在だったんですねぇ。

BOINCでSETI@HOMEを実行している様子
BOINCでSETI@HOMEを実行している様子

PUは各スレッドでwork unitをひとつこなすのに約2.5時間のところ、GPUは30分程度と約5倍。得意分野はとことん速い。CPUが古いですけど…。

オーバークロック

ソフトウェアで簡単に出来るのでやってみました。GPUが+170MHz、メモリが+550MHzが安定稼働の上限でした。これ以上だと全負荷時に画面が乱れました。通常は定格で運用しますけど。

GPUオーバークロックの様子。GPUが+170MHz、メモリが+550MHzが安定稼働の上限でした。
ツールでオーバークロック

まとめ

H.265/HEVCやVP9の対応で動画再生環境としては当分大丈夫ではないかと思います。エンコードもファイルサイズは大きいとはいえ速度は十分以上、画質はこだわらなければ十分だと思います。

何より画像・画面描画関連処理が爆速になったので、費用対効果はありました。今までが遅すぎたか。

CPUがボトルネックですけど、こうなると利用シーンで遅いのはRAW現像のみで、それはバッチで変換指示して放っておけばよいです。

とすると、取り敢えずこの構成でイイかな〜とも。スマホやタブレットがあると参照系の処理は普段はそれで事足りますし。

だからこそクリエイティブな作業をするPCにはパワーを…などというのは、新しいハイスペックな商品を売る側の立場で言っていることでしょう。

PCのCPU専有時間が短くなり、ストレージも重い処理もネットワークの向こうのクラウドに任せると、クライアントは操作と画面描画ができれば良い事になりますね。

パワーの要る処理はAWSのインスタンスにやらせることが個人で出来る時代です。GPUを積んだインスタンスもあります。

昨今のハイスペックPCはゲーミングナントカか写真・動画編集用途ばかりなのは、ハイスペックなローカルリソースの使いみちが他に無くなってきた証左のように思えます。

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