バッファローのWi-Fi 6対応ルーターは、「玄人志向」ブランドで売った方が納得感が出るのではないか?と思われるくらいの品質になっています。とくに2021年頃(Wi-Fi EasyMeshの対応が始まった頃)からのファームウェアが酷いことになっている印象です。
ハードウェアは大丈夫でもソフトウェアがダメというのはハードウェアに対する付加価値をつけられていないことを意味しており、日本企業が凋落していくときの典型的な傾向ではないかと心配です。
返品期間も過ぎてしまった場合は、なんとかだましだまし使うか売り払うかです。ここでは前者の方法のひとつをご紹介します。
バッファローのWi-Fiルーターの設定方針
基本は「バッファローに仕事をさせるな」です。設定でオフにして構わない機能は最大限オフにしましょう。セキュリティを笠に着て不安をあおって使わせるような機能もオフにしましょう。
前提
いうところの「二重ルーター」状態で使用しています。これで何も問題は出ていません。
結果、設定は以下のようになっています。
不具合やエラーを回避するための設定
こういう設定を紹介せざるを得ないのが残念なところです。
EasyMeshの高速ローミングはオフにする
ファームウェア Ver.1.20からEasyMeshに対応しましたが、さっそく不具合があったようで回避策を自ら報告しています。ろくに検証しないでリリースしてしまったんでしょう。マーケティング優先なのでしょうか。
EasyMesh機能の「高速ローミング(11r)」が原因となっているとのことで、以下の通りここをオフにします。
確かにこれを外すとNintendo Switchが5GHzに接続できるようになりました(2.4GHzはつながる)。ちなみに、SwitchのNATタイプはBと判定されます。
ルーターモードで使う
以下の記事で記した通り、アクセスポイントモードは正直使い物になりませんでした。
ところが、ルーターモードで使うと水を得た魚のようにきちんと動作しました。
IPv6はNDプロキシは使わない
HGWがあるとはいえセキュリティ面では強固な方がいいかなと「IPv6ブリッジ」ではなく「NDプロキシ」を選択していました。が、これだとエラーが出ます。
そこそこの頻度で発生していました。通信が途切れるなどということはなかったのですが、それだけに原因や影響が不明で気持ち悪い。
サポートに問い合わせたのですが、ログの見方はサイトに案内の通りとのことで、それ以上のことは得られませんでした。
このエラーメッセージで検索するとヒットする価格.comの掲示板では、WSR-3200AX4Sをインターネット回線と直接接続してNDプロキシを使用する設定にすると回線の切断が発生してこのエラーも発生しているということで、結局は他社ルーターに替えたら安定して使えているという書き込みがあります。
上位にルーターがあってフィルタリングしてくれる(セキュリティの懸念が少ない)状態であれば、IPv6をパススルーする「IPv6ブリッジ」を使用するのがよさそうです。直接インターネット回線に接続してルーターとして使う場合は別メーカーの商品にしましょう。
その他の推奨設定
ベンダー提供のセキュリティ系機能はチェックを外す
ネット脅威ブロッカーとiフィルターは無効にします。
ネット脅威ブロッカーがオンだと楽天ひかりで遅くなるという情報が出回ってます。
ところで、設定画面下部のバナーを見ると、「DIXIM」とあります。
以前に記したNASの返品の原因となったDLNAサーバー開発元のDIXIMです。これは信用なりません。
もうひとつの「iフィルターは」以下の条件が付いています。
フィルターされるセッションは、デフォルトセッション中のHTTP通信のみとなります。PPPoEマルチセッションをご利用の場合や、SSL通信、外部プロキシサーバーをご利用の場合は、フィルター機能は動作しません。
WSR-3200AX4S公式サイトより
いまってサイトのほとんどがSSL通信なんですけど・・・。
こんなので「お子さまを守る」という謳い文句(公式サイトにそう書いてある)で親心と恐怖心に付け込んで無知な人間からサブスクリプションで金をとろうという。
[拡張設定]は触らない
あちこちのメニューに[拡張設定]という項目があります。これらは上記の不具合回避目的以外では変更せず、製品の初期設定を維持します。ヘルプを見てもこれら拡張設定については、
「通常は、初期設定のまま使用してください。」
と記されています。サポートで何か聞かれたら、
「製品の初期設定のままにしています」
といえるようにしておきましょう。実際にそれで問題はありません。
逆に、先のEasyMeshの高速ローミングは拡張機能で、サポートサイトではオフにするよう推奨しています(接続出来ない機器があった場合)。素直に従いましょう。メーカー推奨設定での不具合なら、消費者側に非はありません。
ルーターセキュリティメニュー
iフィルターを無効にする以外は初期設定のままでいいと思います。ルーターとして一般的な機能なので、必要に応じて設定することでOKでしょう。このあたりのルーター機能はおそらくは枯れたライブラリか何かで実現していると思うので、そこは普通にルーターの機能として使っていいと思います。
ファームウェア更新設定で自動更新を止める
更新設定の中に拡張設定で「ファームウェア自動更新機能」という項目があります。拡張設定なので触りたくありませんが、ここだけは「更新せずに通知のみ行う」 にしましょう。通知が来たらそのバージョンの不具合がないかを2~3週間はネットの情報を確認し、本当に問題が無いようなら更新します。
以前に「常に最新版に更新する」にしていたら更新とともに手動設定にしていたルーターのIPアドレスが自動設定に変えられてしまい、管理画面が開けなくなったことがありました。更新内容にルーターのIPアドレス設定関連は何もないにも関わらず、です。そんなことをするんだとびっくりした記憶があります。
ファームウェアの変更履歴を見ると「テストしなかったの?」と思うような素人仕事が散見されます。とても不安になりました。
最後に
この記事は、バッファローのWi-Fi 6対応製品を買ってしまって返品期限も過ぎてしまった場合のひとつのヒントです。この記事の内容では解決できない人もいるかと思います。
私の場合は幸いにしてルーターモードにして使えていること、返品期限は過ぎてしまったことからこのまま不都合がなければ使い続けるつもりです。他にもバッファローの商品はいくつか使用していますが、現在受けてしまった印象では次に何かを買うときにバッファローを選択肢に入れることはないでしょう。
これが怪しい中華コピー品なら選んだ方もどうかということにもなりましょうけど、バッファローブランドの正規品でこれです。家電メーカーに見られた日本企業の凋落はまだ続いているのかもしれないと不安な気持ちになりました。
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