クラウドファンディングは間に合わなかったため公式サイトで購入したPeak DesignのEveryday Backpack。
通勤では使わず、休日にカメラの所持有無に関係なく使います。どちらかというとカメラ無しで使うほうが多いです。
■総評
「基本構造はしっかりしているので、使い勝手は使い手が考える」
という商品だと思います。恐らくは、カメラの機材自慢な方が積載性を求める用途には向かないです。撮影のための機材運搬目的ではなく、商品名の通り日常で常用する、カメラを持って遊びに行く、旅行に行くという状況に向いています。
カメラバッグ然とした分厚い仕切りやクッションなどないので、ポーチを使ったり付属の仕切りで工夫するなど、自分の頭で考えて自分好みにして使うバックパックでしょう。
紹介動画を見ると高機能に見えますが、基本がしっかりしているので応用が効くのと、提案に統一感があるからそう感じるのだと思います。現物が手元になくても、その提案から自分の利用シーンを想定したときに使い勝手が分かる。
そうしたものを一定の質感をもって生み出すには相応のコストはかかるはず、なのでバックパックに3万円を超える値段(購入当時 クーポン使用送料込みで$285.91 @117円)ということにも納得して買いました。
以下に1ヶ月ほど使用しての実ユーザー視点で細かいところを書いてみたので、興味があればどうぞ。
サイズ
20リットルと30リットルのふたつのモデルがありますが、30リットルモデルにしました。購入前は28リットルのアウトドア向けバックパックを常用していて縦横のサイズはそれとほぼ同じ。旅行時など28リットルで目一杯のときもあり、これより10リットル少ないと私には足りないです。
バッグ類のサイズや容積は、見た感じやだいたいこのくらいで根拠なく判断すると後悔します。
重さ
空の状態で1.5kgを超え、同容量の薄手のバックパックと較べると明確に重いです。倍くらいあるかも。軽量を求める方には全く向きません。耐久性も考慮した素材ゆえの重さでもあるかと思います。
カメラ機材を入れて片手で持つとさらにずっしりと重さを感じます。が、背負うと途端に軽く感じます。あれ?こんなもん?と思うくらい。重量バランスやショルダーストラップのフィット感が良いのだと思います。
背負い心地
先のように軽く感じるくらい背負い心地が良くて気に入りました。恐らく以下によるものと思われます。
・背中にベッタリ張り付かない
背面の盛り上がっている箇所(下の写真のショルダーストラップ付け根から伸びる2本の黒いところ)は下に物が通るようにもなっていてトロリーバッグのハンドルに通すことが出来るという機能もあるのですが、ここが一段高くなっていて背骨の両脇に沿う形になります。このため、バッグが背中全体にべたっと張り付かないです。汗をかく季節にも良いかもしれません。その下の腰の部分もパッドが入っているので、当たりがよくて楽です。
- ショルダーストラップが捻れずに可動する
写真では右肩のストラップは真っ直ぐ、左肩のストラップは横に向いていますが、この範囲で自由に動きます。肩に均一にストラップからの荷重がかかるようで、これも楽に感じます。 - 中身が背中側に出っ張らない
硬いものを詰め込んでもそれが背面に出っ張りを作るようなことがなく、背負い心地がほぼ変わらないです。
背面とショルダーストラップが身体にいつも均一に当たる=荷重が均等に分散されるということから軽く感じるのかと思います。肩にずっしりくるのではなく、「背中に乗っている」感じです。
収納性
カメラ機材
例をあげておきます。
例1)一番下(右)にカメラ、その上にUSB充電器とケーブル、一番上(左)には着替えと洗面用具の入ったケース。詰め込んでも横から簡単に取り出せます。
例2)上はカメラとアクセサリを入れたポーチの組み合わせ、下はさらに望遠レンズを入れたところ。この可変の仕切りが抜群に便利です。
この仕切りは脱着も可能です。その他は仕切りの便利さも含めてネットのあちらこちらにあるのでそちらをどうぞ。
書類やラップトップPCなど
休日でも契約書類を携えることはあるし、旅行の行程表やチケット類もあれば、バンドのセットリストもある。こういうのは紙が安心です(笑)。
ラップトップPCが入るようになっていればA4程度の書類は当然入るのですが、書類をそのまま押し込むことはせず、下の写真の真ん中の青いバインダー(白い部分はA4用紙)をバッグに常に入れておいています。カタログや雑誌などバインダーに入らない大きめの印刷物でも、バインダーと一緒に入れておけば、本体が型崩れしないことと相まってまず折れ曲がりません。バインダーがガイドとなって、出し入れもスムーズになります。
ラップトップPCなどを入れる気室は開口部が別になっていてほぼ真っ直ぐなので、平らな物が出し入れしやすいです。中は
- 7インチ程度のタブレットが横向きで入るくらいの深さのポケット(厚めの仕切りの上側)
- A4サイズ程度のものが入るポケット(青いバインダーが入っているところ)
- 底まで通じているポケット(バインダー下側の仕切りの下側)
と、3つあります。一番目は眼鏡を直接入れても大丈夫そうな柔らかい素材で出来てます。二番目は押し込んでいくと途中で止まり、A4サイズプラスα程度までのものが入ります。底までいってしまわないというのがとても使いやすい。
それと、背負い心地でも書いたように物を入れても背中側に膨らまないです。商品紹介動画の1:56からのところ。内側に伸縮性の生地が使われています。
ポケット
開口部がファスナーではないポケットはすべて磁石が仕込まれていて、カチンと閉じます。だらしなく開きっぱなしになりません。中のものをさっと取り出せるけど、電車の棚や車のラゲッジに置くなどバッグの向きが変わるときに中身がこぼれ落ちない。この工夫は良いです。
ストラップ
左右ポケットの中と正面下部のポケットに合計4本のストラップがしまわれています。ストラップをかけるループは正面、底部、肩付近にふたつずつあります。
組み合わせるとこんな使い方もできます。楽器用シールドケーブルをとめています。ケーブルに癖をつけずに運べます。
着替えが多いときはこんなふうに。スキューバダイビングのときに手回り品や着替えを入れるのに使っていた防水のバッグをとめています。
本体正面には開口部がないので、ものを括り付けても何も支障しません。このストラップは縫い付けられているのではなく、根本にもループがあってそこに通してあるだけです。外して別のアレンジが出来るし、傷んだら交換も出来ると思います。現在はストラップ単体では売ってなさそうですが。
胸と腰も含めて全てのストラップは収納出来るので、未使用のがぷらんぷらんすることがありません。見た目に宜しく取り回しの際に鬱陶しくもならないです。強風時に身体に当たることもありません。
その他
自立する
バックパックが自立します。底の背中側内部にパッドがあるらしく、そこに荷重がかかるとパッドが潰れることで立つらしい。荷物のバランスで完全に立たない場合でも、バッグ自体が硬めで型崩れしないので何かに立て掛けておけます。
ぐにゃっとならず、公共交通機関や施設利用時はこれがとても役立ちます。底面はビニール製で防水でもあるので、遠慮なく床に置けます。
構造
上記と関連しますが、本体が硬めで形を保ってくれるため、バッグの取り回しや荷物さばきがとてもやりやすいです。中身に関わらずいつも同じ形をしている。中に入れた平たいものが不用意に折れ曲がったりもしない。
それと、ファスナーのタブの位置が常に同じになる作りで、一般的なタブを左右に開くタイプで位置が定まらないものと違っていつも有るべきところにある。
こういうところが非常に使いやすく、良く出来ていると感じさせられるところです。
リフレクター
底面のベルトのようなものは反射材になっていて、背負ったときに後ろからのライトを反射するという設計だそうです。ベルト状になっているので、自転車用のリフレクターやライトを取り付けることも可能です。
一連の動画では何のためのものか分からなかったのですが、Peak Designのサイトにあるフォーラムで知りました。
アンカー
おまけ(?)で付いている片手で脱着可能なアンカー。「アンカーリンクス」という名前で、単体でも購入可能です。
私は車の鍵をつけています。アクセスキーはバッグにいれたままでも使えますが、バッグを車内において車を離れるときは身に着けなくてはなりません。そんなときにすぐに外せて便利です。バッグに入れておくときは中で迷子にならず、他のバッグでも使えるので、車の鍵のキーホルダーとなっています。
質感
届いた商品は「Designed in San Francisco Made in Vietnam」です。裁縫のほつれや生地のシミ、塗装欠けなどは全くないものでした。
それは生産の話ですが、ものとしては
・バックル類はすべてアルミ製
・ベルト部分はすべてシートベルトのような生地
と、劣化して割れそうな樹脂パーツにザラザラのベルトを使う商品とは一線を画します。さらに、
・バックルの操作はすべて同じで軽く滑らか、でもずれない
・ポケットやフラップはすべて磁石で留まる
と、使うにあたって重要な部分がスムーズかつ統一感があって使っていて気持ちが良いです。
最後に
と、そんな感じで、よい値段なので素材も良いのはそうなのですが、使い勝手に統一感があるというのが宜しいです。思っていた以上に使いやすく、使う度に
「これはいい物を買った」
と、期待以上の満足度をもたらしてくれるものでした。お陰で、4つあったバッグは1つを残して処分しました。
総評で述べたように、自分の利用シーンを想定したときに使い勝手が分かる、という人にはとてもお勧めです。
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